完成工事高評点Xが総合評定値(P)に占める割合は25%になります。
評価できる工事金額は1,000億円までですが、主な中小建設業者間における完成工事高の差が実力差として評点に敏感に反映されます。
およそ、5億円以下の完成工事高の範囲において、格差が明確になってきております。
工事種類別年間平均完成工事高X1
工事種類別年間平均完成工事高X1とは、総合評定値を請求した建設業許可業種ごとに、審査基準日の直前2年または激変緩和措置を利用すれば3年の平均完成工事高をいいます。
工事種類別年間平均完成工事高は、2年平均または3年平均の2択から選べますが、業種ごとに2年平均または3年平均を選ぶことが出来ません。
例えば、土木一式、とび・土工の2業種の経営事項審査を受ける場合、土木一式は2年平均、とび・土工は3年平均を別々に選択することはできません。経営事項審査をうけるすべての業種に対して、2年平均または3年平均のどちらか一方の選択しかできません。
例
〇 土木一式→2年平均 とび・土工→2年平均
〇 土木一式→3年平均 とび・土工→3年平均
✕ 土木一式→2年平均 とび・土工→3年平均
申請者にとって重要な業種の点数に焦点を合わせて選択することが良いと思われます。
評価アップ対策
単純な話になってしまいますが、工事を受注して完成工事高を増やすことです。
ただ、単に受注を増やしても、赤字工事では、利益額の評価でマイナスになってしまい、最終的に総合評定値がアップしていないということになってしまいます。
なので、いかに利益がでる優良な工事の受注を目指すことが重要になります。
工事進行基準の採用
工事完成基準を採用している場合は、工事が完成後、施工検査・引渡し時点で完成工事高となります。
そのため、決算日までに引渡しされないときは、未成工事に係る入金額は未成工事受入金となり、完成工事高には計上されませんので、評点アップにつながりません。
工事完成基準とは違い、工事進行基準を採用している場合は、決算日時点の未成工事に関して、進行度合いに応じての工事出来高を完成工事高に計上することができます。
完成工事高の積上げ
経審では、許可を取得している業種について、受けることができます。
逆に言えば許可を受けている業種すべて計審を受ける必要がありません。
経審を受けない業種に関しての完成工事高は、経審の点数に関して、貢献しないことになります。
経審を受ける業種に関連する経審を受けない業種の完成工事高を積み上げ申請して、評点アップさせることができます。
そのため、関連性がない業種間の完成工事高の積上げはできないので注意してください。
関連性に関しては、審査行政庁によっては違うことがありますので事前に確認してから積上げを行うようにしてください。